月収2万円では「ロブスター」を養えない?スマートフォンメーカーは「スマホ購入で計算能力を提供」方式でコストの行き詰まりを打破しようとしている

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作者:深网腾讯新闻

OpenClawが「養虾」の熱狂と「殺虾」の議論を背景にAI界のトップトレンドとなる一方、端末側AIに深く取り組む主要なスマートフォンメーカーも我慢できず、自社のClawを「調教」し始めている。

3月6日、XiaomiのモバイルエージェントであるXiaomi miclawは招待コードによる限定クローズドベータテストを正式に開始し、国内初の「龍虾」内測を行うスマートフォンメーカーとなった。その後、Huawei、Honor、OPPOなどもClawの内測情報を発表している。

その中で、Huaweiは「小藝(シャオイー)」にOpenClawモードを追加したことを公式発表し、その後「小藝Claw Beta版」をリリースした。Honorは「Honor龍虾宇宙」を発表し、PCでの一括養虾やタブレットでの養虾をサポート、将来的には他のエコシステムデバイスとの連携も可能になる予定だ。OPPOのColorOS設計ディレクターの陳希は、SNS上で「小布Claw」の一部機能を披露し、「小布Clawには安全性など解決すべき課題もある」と述べている。

つまり、スマホメーカーによる「養虾」活動は現在主に内測段階であり、正式リリースの具体的な時期は未定である。

例えば、Xiaomiのmiclawは現時点ではXiaomi 17シリーズ、Xiaomi 15S Pro、Redmi K90シリーズ向けに限定クローズドベータテストを行っており、招待コードを受け取ってシステムをアップデートすればXiaomi miclawのアプリを利用できる。「テスト期間中は料金プランは未定です」と、Xiaomiグループのパートナー兼CEOのルー・ウェイビンは述べている。

スマホメーカーがモバイル版「龍虾」を展開する背景には、ある業界関係者の話によると、「OpenClawはオープンソースフレームワークに相当し、サードパーティのSkillsやプラグインエコシステムを内包し、さまざまな大規模モデルを呼び出すこともできる。一般ユーザーにとってはOpenClawの導入ハードルは高いが、スマホメーカーにとっては技術的な難しさはなく、むしろ権限取得やユーザー情報の安全保障、法令遵守の問題が難しい」とのことだ。

「主流のスマホメーカーは数億人の一般ユーザーを相手にしているため、AI機能をリリースするには十分な検証を経て、成熟・安全・安定した状態になってから提供しなければならない」と、あるスマホメーカーの社員は明かしている。

スマホメーカーの「養虾」競争

大規模モデルのメーカーは「龍虾」の展開に熱心で、これは簡単に言えば「計算能力のマネタイズ」ビジネスであり、エージェント(Agent)がより頻繁にモデルを呼び出し、複雑なタスクを実行することで、より多くのTokenを消費し、API収益を直接押し上げる仕組みだ。

しかし、このロジックはスマホ業界では通用しにくい。ユーザーは何千元、場合によっては何万元も出して端末を購入した後、個々のタスクに対して追加料金を払いたくないのが一般的だ。タスク販売による直接的な収益化が難しい中、なぜトップクラスのスマホメーカーは自ら計算能力とTokenコストを負担し、内測専用のモバイル版「Claw」を展開し続けるのか。

一つの理由は、従来のスマホAIアシスタントが「個人用インテリジェントエージェント」へと進化する過程で、OpenClawが「スーパーアシスタント」の理想形に無限に近づいている点にある。

従来の受動応答型の音声アシスタントとは異なり、OpenClawは24時間オンラインの「デジタル社員」のような存在となり、一般ユーザーにAIによる人力代替の現実的な可能性を初めて実感させる。

OpenClawの根底にあるロジックは、その「自主性」の強さにある。チャットボックスの枠を超え、適切なSkills(スキルパック)を設定し、十分なTokenを権限付与すれば、OpenClawはユーザーの習慣やタスクを記憶し、自律的にステップを計画し、ツールを呼び出し、ソフトウェアを操作し、最終結果をフィードバックできる。

しかし、このクラウド上に漂う「自主性」を、狭いスマホの画面内に本当に馴染ませるには、単なるアプリの重ね合わせだけでは不十分であり、OSの深層からの大規模な再構築が必要となる。

具体的な実現方法としては、Huaweiの小藝ClawやXiaomiのmiclawのいずれも、「システムレベルのアプリ」としての切り込みを選択している。この方式は、もともと散在していたソフトウェア機能やシステム権限、さらにはデバイス間の能力を一つにまとめ、Agentが呼び出せるSkills(スキルパック)としてパッケージ化し、自社開発の推論・実行エンジンを通じて有機的に連携させるものだ。

例としてXiaomi miclawは、50以上のシステムツールとエコシステムサービスを統合し、「感知-推論-実行」の閉ループエンジンを構築している。ユーザーの指示に対して、エンジンは自動的にステップを分解し、ツールをマッチングし、パラメータを決定し、その結果に基づいて繰り返し修正を行い、タスクを完遂する。

一方、Huaweiの小藝Clawは、HarmonyOSの基盤上に直接構築されている。「小藝Clawはシステムレベルの権限(サードパーティアプリのジャンプ不要、底層機能の直接呼び出し)、全シーン連携(スマホ、PC、車載、スマートホームのシームレス連動)、データ安全隔離(ユーザープライバシーデータのローカル処理)の三つの大きな利点を持つ」とHuaweiの内部関係者は明かす。

しかし、スマホ上に「龍虾」を展開するには、技術やエコシステムの課題だけでなく、安全性とコンプライアンスの観点から、敏感なデータの適切な取り扱いや、アプリ間・プラットフォーム間の壁を打破し、さらには業界全体の利益配分の再構築まで求められる。

「ユーザーの普段使いのスマホに龍虾を展開するには、情報の安全性を最優先に確保する必要がある」と、あるスマホメーカーの社員は強調する。

この情報安全性への懸念は決して空論ではない。OpenClawのデフォルトのセキュリティ設定は脆弱であり、攻撃者によるシステム完全掌握や、プロンプトインジェクション、誤操作、プラグインの毒入りなどのリスクも指摘されている。

こうした潜在的なセキュリティリスクに対処するため、セキュリティガバナンスは、スマホメーカーが「龍虾」を大規模に展開する上で越えられないラインとなっている。

例としてXiaomi miclawは、Agentがクラウド上で高リスクな決済操作を勝手に行わないよう、コードレベルで「資金移動や注文に関わるツールの登録をすべて排除」している。これにより、指紋認証やパスワード入力などの明示的なユーザー確認がなければ、資金取引は一切トリガーされず、自動引き落としのリスクを根本から排除している。

AIエコシステムの入口争奪戦が始まる

OpenClawが「スーパーアシスタント」の理想形に無限に近づくことは、スマホメーカーが「龍虾」を養う表層的な動機に過ぎず、より深い戦いは、ユーザーが「口だけで事を済ませる」インタラクションに慣れるにつれ、従来のモバイルインターネットの秩序、すなわちアプリを単位とし、スマホメーカーがアプリストアの配信権を握る旧体制が揺らぎ始めることにある。

NVIDIAの創業者黄仁勋は言う。「MacとWindowsはパーソナルコンピュータのOSだが、OpenClawは個人AIのOSだ。」

PC時代は、OSを握った者がエコシステムの入口を掌握していた。しかしAI時代も同じ法則は通用し、入口はエージェント(Agent)へと移行している。

もしユーザーが、サードパーティのエージェント(WebやOpenClawのような独立アプリ)で全ての問題を解決する習慣を身につけたら、スマートフォンは単なる「ハードウェアの土台」へと成り果てるだろう。

こうした危機感を抱くスマホ大手の動きは明らかだ。

ちょうどスマホメーカーがモバイル版「龍虾」のリリースを発表したタイミングで、百度や阿里などのインターネット巨頭も迅速に動き出し、無料のモバイル版「龍虾」の内測を開始している。

3月12日、百度はAndroid向けに「紅手指Operator」アプリをリリースし、ユーザーはこのアプリを通じて移動端のAIアシスタント機能を直接体験できる。タクシー呼び出しやフードデリバリーなどの跨アプリ操作も可能だ。続いて翌日、阿里雲はモバイル版OpenClaw「龍虾」——JVS Clawをリリースし、「即使箱(すぐに使える)」を謳い、自然言語の簡単な指示だけで、隔離された安全なクラウド空間内でアプリ操作やファイル処理、複雑なタスクの完遂を実現している。

スマホメーカーやインターネット大手がスマホ上に「龍虾」を展開することについて、IDC中国の調査マネージャー郭天翔は、「現状ではスマホ上での(養虾)の実用価値は限定的だ」と述べる。その最大の課題は、サードパーティアプリを呼び出す際にAPIの認証問題が残ることだ。無理に呼び出すと、以前の豆包(ドウバオ)スマホのように、サードパーティアプリからの無効化に遭う可能性もある。

豆包スマホの失敗例を踏まえ、HuaweiやXiaomiなどのスマホメーカーは、モバイル版「龍虾」の展開にあたっては、まず自社エコシステムの閉域内で検証を優先している。

例えば、Xiaomi miclawは、現在「人・車・家庭のエコシステムにおける大規模モデルのタスク実行能力」の検証に主眼を置いている。一方、小藝ClawもHuaweiのスマホやタブレットなど自社デバイス間での協調運用を優先している。

ただし、閉鎖的なエコシステム内で「龍虾」を動かすことは、一部リスクを回避できる反面、ユーザーの高頻度なニーズが微信(WeChat)や抖音(Douyin)などのサードパーティの国民的アプリに散在しているため、その制約もある。

安全性と機能の全面性のバランスを取るため、メーカーはクロスアプリ連携を完全に放棄せず、より慎重でコントロールされた技術路線を模索している。

三方アプリとの連携に関して、Xiaomiの技術者に近い関係者は、「Xiaomi miclawとサードパーティアプリの連携は、主に二つの業界標準的な方法で実現している」と明かす。一つはIntentを駆動させて(SendIntentTool)アプリを起動したり特定の動作をトリガーしたりする方法。もう一つは、アプリ側に自社SDK(AIDLプロトコルベース)を適用させ、事前に定めたデータフォーマットを用いて深度的な機能呼び出しやタスク連携を行うもので、サードパーティアプリも通知を送ることでXiaomi miclawのタスクをトリガーできる。

「遠水」も「近渇」も解決できぬ

現状、基盤システムに自社の「龍虾」を展開することは、スマートフォンの「AIスマホ」への進化において重要な一歩だ。しかし、AIブームの中で増分を追求するメーカーにとって、スーパーインテリジェントエージェント(Agent)を構築する最大の課題はコスト圧力である。

ローカルに「龍虾」を展開するには、単なるソフトウェアのアップデートだけではなく、コアとなるプロセッサやストレージのハードウェアもアップグレードが必要だ。大規模モデルの高頻度推論とリアルタイム応答には、SoCのNPU性能の向上が求められ、同時に動作メモリやストレージチップの規格も大幅に引き上げられる。

「スマホ側で大規模モデルを動かすには、ストレージ容量や電力消費など多くの技術的制約があり、パラメータ数が増えるほど、スマホでの動作は難しくなる。10億パラメータのモデルは1GBのメモリを占有し、70億パラメータは4GB、130億パラメータは7GB必要だ」と、ある大手スマホメーカーのAIソリューションセンター長は語る。

また、現在はストレージチップの価格上昇局面にあり、メモリ容量の増加は端末全体の利益を圧迫している。

さらに、ハードウェア投資以上に厄介なのは、「龍虾」が活性化した後も継続的に発生する運用コストだ。PCでは、タスクごとに実際のToken消費と計算コストがかかる。以前、「月収2万元では龍虾を養えない」というニュースが、こうしたコストの不安を直截に示していた。

「‘龍虾’を使う前に、何のために使うのかをよく考える必要がある」と、MCN(マルチチャンネルネットワーク)機関の創始者の豊年は解説する。「動画制作の工程では、編集と生成のToken消費には大きな差があり、多くの初心者は龍虾が何に使えるのか理解していないことが多い」

豊年は、自身のチームの運営例を挙げて計算した。「私たちの編集作業は、Mac mini4にOpenClawを導入して補助している。具体的には、‘龍虾’はローカルのホットトピックをもとに、探店動画の脚本を生成する役割を担う。これらの脚本には実写のシーンもあれば、AI(例えばSeedance2.0やSora2)を使って生成したシーンもある。龍虾はMac miniをコントロールして動画編集を行い、Sora2のインターフェースを呼び出して動画を生成できる。コストを抑えるために人手を使う部分もあれば、AIに任せた方がコストパフォーマンスが良い部分もある。1日あたり約12本のオリジナル+編集済み動画を作成でき、そのToken消費コストは約15元程度だ」と述べる。

「決定の核心は、Tokenの計算コストと初級編集者の人件費のバランスをどう取るかにある」と豊年は付け加える。「どのタスクを‘龍虾’に任せ、どの作業を人間に残すかを見極めることが、合理的な運用の鍵だ。残念ながら、多くの企業は‘養虾’を単なる流行の技術披露にとどめており、実際の生産性は生み出していない」

1日あたり15元のToken消費は高くはないように見えるが、スマホメーカーの巨大なユーザーベースを考えると、何億人ものユーザーが「ハードウェアを買い切り、サービスは無料」というモデルに慣れている現状では、その膨大な計算能力とTokenコストを長期的に負担できるかは未知数だ。

「スマホメーカーは今後、『端末購入と計算能力付与』のセット販売を採用する可能性がある」と、ある関係者は予測する。「例えば、端末購入時に一定額の無料Tokenを付与し、日報作成や予約などの軽作業に使わせる。動画生成のような高負荷な操作については、タスクの複雑さに応じて別途料金を取るか、ユーザーが超過分のToken費用を自己負担する仕組みになるだろう」

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